2006年12月05日

本日は12月5日(火)だが11月29日の日記 矢原加奈子

実に18年ぶりの上陸である。
ここは大分県。
私の実家がある町だ。
なんだおまえは。
実家にはちぃとも帰ってない親不孝者なのか
と言われるかもしれないが
いえいえ今年の二月に帰りましたと
胸をはって答えよう。
しかしながらまだ親から借りた金は
返してません。
そして未だに結婚の予定はなく
孫の顔を見せられそうもありません。
親不孝者に間違いありませんでした
申し訳ありません・・・
なのである。
私の実家は中津市という人口約8万6千人の小さな町。
過疎化が進む深刻な場所である。
何と言っても昼間駅で人とすれちがわない。
おぉ、やっと人だと思ったら
福沢諭吉の銅像であるといった
なんとも暢気な町でもある。
更に中津市は福沢諭吉が幼少の頃に過ごした町でもある。
全国的にはあまり知られてはいないが
それが中津の唯一の自慢だ。
唯一であるからこそ
そこでがんばらねばならないとばかりに
一万円札型の諭吉せんべいや
諭吉の里というお菓子などで
地味に盛り上がりを見せているが
かえってそれが寂しい気分にさせるのも
こと土地の特徴といえよう。

話は大きくそれたが、同じ様に私の実家
中津市は大分市内から大きくそれている。
中津市は福岡との県境に位置している為
遊びに行くなら大分市内に行くより
小倉か福岡なのである。
その方が近いと言うのもあったが
決定的には
大分はどことなく華やかさに
かける気がしていた。
現に今、大分空港に着いても地味な空港だ。
ロマンスの匂いはしない。
バスに乗ってホテルまで向かっているが
山山山山山山山山山
山山山山山山山山山…
山ばかりである。
山マニアにはたまらないと思うが
そんなマニアがいるかどうかはなはだ疑問で
更にあいにく私は巨大仏マニアで
傷口フェチなファザコンであるので
一刻も早く市内に着いて
今日のビールに辿り着きたいのである。
山よ、悪く思わないでおくれ。

大分に来たのは中高生の頃しかない。
ユニコーンや爆風スランプのライブを観に来た
事と、大分に転校した友達に会いに来た事以外
なんの思い出もないのである。
しかし果たしてそうであろうか。
何か大事な事を忘れてはいませんか。
という多大な思い込みによって
夕方、ホテルに到着後
すぐさま街に繰り出してみた。
いろんな街にこれまで繰り出してきたが
大分は比較的、ネオンが少ない。
お店やネオンの看板が少ないという訳ではなく
どういうわけか暗くなっても
ネオンに明かりが灯らないのである。
暗い。
暗いぞ大分!
これから私が思い出探し、自分探しの旅に
出ようとしているのに、なんだその
非協力な感じは。
地球にはやさしいかもしれないが
私には厳しいぞ。
それから私も昔、演出家の喰さんから
「ネクラ」と言われた事があるがそれは
大分の町ぐるみの暗さだったのか。
などと思いながらずんずん歩く。
ずんずん歩く先は、大分文化会館。
そこで昔、ライブを観たので
そこへ行けば、ライブを観た後の興奮や
感動、その時考え感じていた事などを
思い出しきっと胸が熱くなるだろうというのが
ずんずんの目的である。
ずんずん、奥深いぞ。
また
「あーここ来た来た!懐かし〜」
などといった奇声を上げながら
健気にがんばっていたあの頃の自分に
出会え、それはきっと今の私にとって
大事な事なのではないかと思うのである。
そんな確信を胸に地図を片手に
ずんずんずんずんである。
しかしずんずんの先になぜか国道10号線である。
そんなの地図上にはない。
標識を見つけると私はどうやら熊本方面に向かって
いたようで、危うくパンダのぬいぐるみを着て
日本を縦断しているおじさんに
なってしまうところであった。
スーパーに立ち寄りレジのおばちゃんに
持っている地図を見せ、私は今どこに
いますかという、記憶喪失のような質問をぶつけると
地図を大きく外れた空中を指差されてしまった。
一時間近く歩いているのにたどり着かない原因が
ここでやっと分かる。
気を取り直して歩き出す。
あたりはもう真っ暗であるが気にせず
再びずんずんだ。
20分ほど歩くと、おぉここが大分文化会館。
感動の嵐が巻き起こる。
かと思いきや、ちっとも懐かしくないぞ。
驚いた事に私はここに来た事などないではないか。
とんだ思い違いである。
なんじゃそりゃ。
自分で自分に肩透かしだ。
もしくは本当に記憶喪失になってしまったのか。
段々腹が立ってきた。
何をしておるんだ私は。
ホテルの近所ではもうみんなで飲んでいて
「盛り上がってま〜す!」
とかいう報告のメールが来ているのに
今なぜそこに私はいないのだ。
この怒りを解決するにはもう飲みに行くしかない。
そうだ、思い出探しはこれで終わりだ。
今はそんな事よりも、新しい思い出を作る事の方が
断然大事である。
今こそ未来に向かってずんずんするのだ。
再び歩き出すと、どでかい地図が目に入る。
仁王立ちで見ていると大分農業会館の文字。
ここには間違いなく高校生の時に行ったぞ。
オールスタンディングの会場だったので
無理やり前の方に行って爆風スランプを観たのだ。
気が付くと偶然隣に、大好きな先輩がいたので
誰かに押された風を装って体を密着させたり
臭いを嗅いだり、そっと触ったりと
痴漢まがいの行為をした思い出がある。
ティーンズの頃からどうかしているが
今はそんな事はどうでもいい。
情けない思い出だが思い出してしまったからには
行かなければならない。
幸い、地図を見るとそう遠くない距離である。
踵を返して再びずんずんだ。
しかし、まっすぐ行けばたどり着くはずなのに
目的地はなかなか見えてこないではないか。
そして間違いなく来た事があるにもかかわらず
周りの風景は何一つ覚えがない。
本当にこの道であっているのか。
そもそもその会場を見た所でどうしたいのだ。
寒さと疲れで最初の衝動が分からなくなって
来た頃にポンと会場が見えた。
あぁ、あった。
感動である。
しかしそれは会場を見つけられた事での感動で
後に来るはずの懐かしさや思い出は何一つ
湧き上がって来ないではないか。
残念である。
しかも誰も攻められない。
スゴスゴと肩をすくめ、飲み会に向かう。
もう疲れた。
一歩も歩きたくない・・・
そんな気持ちからかいつの間にか
どこに向かうか分からないバスに
乗り込んでしまい、ホテルからうんと離れた
バス停からまた凄い距離を歩く羽目になって
しまったのである。
ある意味、新しい大分の思い出が出来た事で
めでたし、めでたしである。
061129_1819~01.JPG
文化会館に向かう途中の歩道。
クリスマスイルミネーションでデコレーション
されていたが
これはあまりにもストレート過ぎや
しませんか。

posted by セクシー寄席 at 18:48| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 【セクシー寄席の日記2006】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
むむっ!まさしくファンタジー(幻想)の国、大分。
魔法にかかっちゃいましたね。

Posted by あきちゃん at 2006年12月06日 16:09
ふむふむ・・・
さらにパワーアップしてる・・・
田舎は、ちょっと経つと変わってしまうもんですね。大分もまだまだ田舎なんですね・・・
クリスマスイルミネーションも強烈でしたね!
ずいぶん歩いておつかれさま〜♪
Posted by ジュリア〜ノ☆ at 2006年12月07日 01:07
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